物語-はなまる@Youji- 【2話】

怖いもの知らずと臆病者
洋二さんには同じ施設で生活した幼馴染がいて、
それぞれ施設を出てから全く別の人生を歩むことになる。
怖いもの知らずの幼馴染は、喧嘩っ早い性格。
一方洋二さんは臆病でビビりな性格。
頼もしい存在でもあった幼馴染は施設を出てヤクザの世界へ進み、その後自殺してしまう。
お金に関して殆ど知識がなく施設で育った子供たちは社会に出てから、お金に関してとても苦労するのだ。これは普通の家庭でもある事で、学校ではちゃんとしたお金の授業がない。普段の生活の中で、親からなんとなく教えてもらったりしながら身に着けていくしかない。 ましてや社会に出るまでに月に一度だけしかお金に触れる機会が無く、お金の使い方が分からなかった洋二さんたちにとっては、より大きな問題としてのしかかってくる。
だから簡単に借金を作ってしまうのだ。
それが原因で施設での生活から社会人として上手くやれずに、借金を苦にヤクザから逃げるため自殺した先輩もいた。
洋二さんが何故そちらの道に行かなったのかは、臆病で我慢強かったこと。
そして、落ちすぎないところでストップをかけることができたことが、道を外れずに来れたのではないかとおっしゃっていたけれど、それだけじゃない、堅実さや前向きさもあったのだとも感じる。
たとえ同じ環境で育ったとしても、皆が同じ方向へ進むのではなく、それぞれにそれぞれの道を選んで進んでいく。
両親に頼れない洋二さん達の場合は早いうちから、その道を自分で見定めていかなくてはならないのだ。