物語-はなまる@Youji- 【5話】




今だから思える感謝と願い


一家を離れた洋二さん。その後、実家は母親の弟がギャンブルでの借金が膨れ上がって借金返済のため実家を売ることになり、自己破産となった。 理想とはかけ離れた家族、現実が全く違う事を知った洋二さんは、いよいよ実家でも居場所がなくなり、高校3年生の頃、何もかも嫌になって仕事も高校も辞めてついに家出をする。 当時7万の給料から2万を実家に入れてたのだが、姉と口論になり「3万払えないなら出て行け」と言われた事が最終的なきっかけになった。 当時、同じ夜間高校に通っていた友達が偶然にも違う児童養護施設で育ち、施設の野球の試合等でちょこちょこ会っていた友達で、その友人の家に転がり込んで、一緒に生活をすることになった。 その友人のお陰で、一旦退学した高校だったけれど、もう一度思い直し頼み込んで再入学し、21歳で高校を卒業することができた。

理想と現実の違いを知った頃、施設のお陰で今の自分があると初めて思えるようになった洋二さん。 施設での生活でいい思い出も嫌な思い出も無かったけれど、児童養護施設で暮らしたという経験ができた事が心から良かったと思えるようになり、今では恩返しがしたいとも思うまでになった。 自身が育った場所だからこそ、洋二さんは今でも施設に気持ちを寄せていて、連絡をとっている。 当時は大変だった施設内の環境も、今は随分と改善されて、困ったことや嫌な事があれば訴える場所もでき、子供同士の上下関係も無くなり、職員の立場も弱くなり、随分と一日のスケジュールも緩くなっていて、当時よりも過ごしやすくなっている。課題は地域との壁や区別が無い、もっと解放された施設であること。それによって、差別的な目で見られてしまうことが少なからずあるからだ。そうして今、児童養護施設は、風評被害、職員不足、子どもたちの自立問題、そしてコロナ禍という4つの難題に直面している。


洋二さんが一番に願うこと。


児童養護施設が減り、無くなること。


子供たちが幸せであること。


良い家庭が増えること。


家族みんなが笑って過ごしてほしい。


それは洋二さんが子供の頃経験できなかったことで、

それが洋二さんの変わることのない願い。



つづく




 

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